「残る楽しさ」
こんにちは。関口です。
何かに向けて準備をしているとき、
ふと、「ああ、この時間が楽しいんだな」と感じることがあります。
まだ本番は来ていない。
うまくいくかどうかもわからない。
それでも、どんなふうに進めようかと考えたり、
必要なものを整えたりしているその時間に、自然と気持ちが乗っている。
そんなことが時々あります。
もちろん、本番が来ればたいてい予定通りには進みません。
結局その場の流れに任せて、気づけばアドリブ全開。
その瞬間瞬間の判断やノリで乗り越えていく。
それはそれで楽しいし、自分らしいなと思うこともあります。
ただ、あとから振り返ると、
「あそこはこうすればよかったかも」とか、
「もっとこう準備しておけばよかったな」と、反省点が浮かんできます。
ほぼ毎回、そういう“後悔”はあるんです。
でも、それは“失敗”ではないと思っています。
その準備があったからこそ、
その本番があったからこそ、
そして、その振り返りがあるからこそ、
次につながるものが、きっとどこかに残っている。
って思うようにしています。笑
「どこが楽しいか」というのは、人によって本当に違います。
準備が楽しい人もいれば、本番の空気の中でテンションが上がる人もいる。
あるいは、終わってから「あれ、よかったなぁ」と思い返す時間を楽しむ人もいる。
ですが、それは「過程が大事」とか「結果がすべて」といった、
いわゆる価値観の話とは、また少し違うもののように感じます。
「楽しい」というのは、
どこで心が動くか。
ただそれだけの感覚の話なのだと思います。
私はたぶん、「あとに残るもの」にも嬉しさを感じるタイプです。
準備している時間もそうですし、
誰かに伝えたことが、後になって活きてきたときなども、
心の中にじんわりと手応えのようなものを感じます。
整体の現場でも、そんな感覚があります。
施術を受けて、その場では楽になったとしても、
数日経てばまた戻ってしまうことも少なくありません。
それでも、その中に少しでも深く、少しでも長く、
何か“痕跡”のようなものが残ってくれたらと思っています。
「効いた」ではなく、「残った」と言っていただけるような、
そんな施療家を実は目指しています。
“楽しい”というのは、にぎやかで華やかな瞬間だけではなく、
静かに心が動くときにも、たしかに宿っているものだと思います。
未来に向けて整えていく時間だったり、
誰かの中にそっと残っていく感触だったり。
どこが楽しいかは人それぞれですが、
自分なりに「ここだな」と思える瞬間を大切にしていけたら。
そんなふうに感じています。 |