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一口コラム
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こちらのコラムでは週替わりで先生方が順番にお話しをしてまいります。
 
施術部 関口裕太

第819回 一口コラム

今回の担当は
施術部 関口裕太です。

令和8年6月18日

 

「ワールドカップ」


ワールドカップが始まるらしい。

「らしい」と言うのは、正直そこまで熱心に見ているわけではないからだ。
選手の名前をすべて知っているわけでもないし、戦術の話をされると途中から「なるほど、奥が深いですね」と分かったような顔をし始める。

それでも、なんだか少しワク忘する。高校時代はサッカー部だったから、多少の思い入れはあるのだ。
とはいえ、夜更かしして試合を全部追いかけるほどではない。
翌日の仕事の方が大事だ。

寝る前にスマホをチェックし、朝起きてまた結果を見る。そんな程度のファンである。

それにしても、最近のサッカーは昔と少し違う。
VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が導入されたからだ。

簡単に言えば、審判の判定を映像で確認する仕組みである。
昔なら見逃されていたかもしれないオフサイドや反則が、今では数センチ単位で厳密に判定される。

テレビで見ていると、こんなことがよく起こる。

「よし!ゴール!」と立ち上がって喜んだ数秒後、画面に「VAR確認中」の冷ややかな文字が出る。
そして数分後、無情にも「オフサイド」の判定。

あの一度上げた拳を、一体どこへ下ろせばいいのか。

あの数分間の虚無タイムは、レジで意気揚々と差し出したクレジットカードが「このカードはご利用いただけません」と戻ってきたときの空気感によく似ている。

「喜びを返してほしい」と思った人は少なくないはずだ。

ただ面白いのは、VARが導入された理由が「正しい判定を増やすため」だということだ。
人間がやる以上、ミスは起こる。
だからテクノロジーで補う。
とても合理的で、正しい話だ。

でも、スポーツを見ている側からすると、正しさだけでは測れない何かもある。昔は誤審も含めてドラマであり、盛り上がっていた部分もあった。今は正確になった代わりに、ゴールの瞬間に「でも、一応VARを待とう」と、一度冷静になってしまう。

便利になったけれど、少しだけ不便になった気もするのだ。

これはスポーツだけではないのかもしれない。
仕事も生活も、昔よりずっと便利になった。スマホがすぐに答えを教えてくれるし、地図アプリは私たちを迷わせてくれない。
それでも、たまに迷い込んだり、遠回りしたりした話の方が、後になって面白かったりする。

そんなことを考えながら、たぶん今回も試合を全部見ることはない。

でも、やっぱり結果は気になる。
位置について、日本が勝ったらミーハーに少し嬉しい。
そんな”なんとなくファン”まで残さず巻き込んでしまうのが、ワールドカップというお祭りのすごさなのだと思う。


 
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