「経験を積み重ねる」
先日行われたボクサー井岡一翔選手の世界タイトル挑戦、結果は見事タイトル奪取となりました。
その試合に向けてのドキュメントを観て感じた事を今回はコラムにしたいと思います。
井岡選手は精密機械と称される緻密なボクシングをする選手。
その一端はやはり練習にも現れていました。
そこではトレーナーの持つミットに向かって、一心にひたすら同じパンチを同じ軌道で、繰り返し繰り返し打っていました。
一つ一つの動きを、何も考えなくても身体が勝手に動くまで覚え込ませるのだそうです。
それにより、試合で相手と対峙する時には、会場の雰囲気や空気感など全てを含んだ
「生の状況」を感じる事に集中するのだそうです。
自分の動きにとらわれているようでは駄目。それでは現場で起きている相手の反応や変化を見落としてしまう。
生き物同士がお互いの存在価値を賭けて闘い、
どちらかが倒れどちらかが生き残る、というシビアな世界だからこその厳しさを垣間見たように思いました。
また別の場面では、移動先に着いた車中から降りる時「どう地面に足を着くか」という事をとても大切にしている、と言っていました。
そこを間違えると、その後のジムでのアップ中までずっとその違和感を引きずってしまい、修正にかなり時間がかかってしまうのだそうです。
動き出す時の「はじめの一歩」。
その瞬間こそが注意すべきところである。
井岡選手の話を聞いていると、その場での対処ではなく、もっとはるか前のやるべき事を明確に絞り込んで、徹底的にやり込む姿勢が見えてきました。
そこをシンプルにして妥協をしない。
そして試合の現場では生の反応を感じられるよう研ぎ澄ましておく。
それによって感じ得た様々な情報と、
それに対する軌道修正。
結果起こった現象。
試合中のそれらの経験が、また次の相手に向けての情報になる。
その積み重ねこそが「経験値」。
それをずっと繰り返してきたんですね。
だからこそ、34歳、33戦した現在がキャリアの中で最強と言われているのかと納得しました。
私の仕事にも全く同じ事が当てはまると改めて思います。
確かな経験値を積み重ねていけるよう、襟を正して残りの半年間、過ごしていきたいと思います。
そんな「はじめの一歩」を大切にするグループレッスンを、毎週木曜日の12時〜14時で廣戸道場の3Fスタジオにて行っています。
患者さん、レッシュトレーナーであればどなたでもご参加可能です。
道場の電話でご予約をお受けしてます。
よろしければご参加ください。
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