「自分の選択」
少し前のお話になりますが、5月の連休に長女と2人で静岡県の実家に里帰りをしました。
年に1度この時期に帰省をする事が多いのですが、今年は本当にお天気に恵まれて、充実した時間を過ごす事が出来ました。
今回はその事をコラムにさせていただきたいと思います。
実家の近所には広大な茶畑があります。
夕暮れ時にそこを散歩していると、
目の前には夕焼けになりかけたオレンジがかった空があり、でも振り返るとまだ青空で真っ白な雲がかかったもう一つの空もありました。
胸の高さまである濃い緑色の茶葉達に囲まれてその空に見とれていると、そこを吹き抜けていく風は清々しく、身体を洗い流してくれたようでした。
翌朝は早起きをして朝食を済ませ、幼い頃よく友達とドロケーなどをして遊んだつつじ公園へ。
以前はもっと鬱蒼としていて隠れんぼに最適な場所だったと記憶していますが、防犯上の理由からか多くの木々が伐採されていて、
かなり見晴らしが良くなっていました。
少し寂しさを感じましたが、
でもそのお陰で池が鏡のように新緑の木々たちを明るく写し出し、まるで洗練された庭園のような厳かな雰囲気を作り出していました。
池の石の上で日向ぼっこをしている亀達も、まるで時間が止まったかのようなのんびりとした空気感を醸し出す名脇役のようで、何とものどかな風景でした。
午後からは通っていた高校の側にある法多山尊永寺へ。学校創立記念日(休みになる学校もあるみたいですが…)に開催されるマラソン大会で敷地の周りの山道を20㎞走らされた、思い出深い場所です。
ここの本堂は1200年程の歴史を持つようですが、今回はそこの名物のお団子と、敷地内で食べられる精進料理のランチが1番のお目当てでした。
入り口の門から本堂までは片道15分程度です。(坂道や急階段も待ち受けています)
せっかくだからお詣りもしておこうと、1番奥にある本堂まで歩く事になりました。
そこの道中も紅葉や巨大な杉の木、苔などが迎えてくれる緑色の世界で、新緑のシャワーを身体中に浴びて参拝する事が出来ました。
その時撮った写真はスマホの待ち受けにしていて今も心を和ませてくれます。
長女は自宅に戻って早々に、静岡に戻りたいとつぶやいていたりしました。
それを聞いて、当時の私にとってはこの写真の風景が日常だった事を改めて思い返しました。
そのまま地元に住み続けていれば何ら特別な事はない、ここが私の生活の舞台だったんだなと。
私は高校卒業と同時に18歳で上京したので、こちらでの生活の方が33年と遥かに長くなりました。
もう一度18歳に戻れたとして、地元に残るかと聞かれたら、やはり残らないように思います。
こちらで色々な人に出会い、様々な出来事を経験し、影響を受け、私は今ここにいます。
その都度あった選択肢の中から自ら選び、その一つ一つの選択の先に今の自分がある。
18歳の自分に胸を張って向き合える現在の自分であるように、未来の姿であるように。
そんな事を改めて感じた帰省となりました。
時には立ち止まって振り返る事も大事ですね。
長文になりましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 |