「まっさら」
先日、方条遼雨さんという武術に携わっている方が書かれた「上達論」という本を読みました。
凄く大切な事が書かれていると感じたので、今回はその内容をコラムにしたいと思います。
早速内容ですが、まずこの世のあらゆる事象は「初見」「未知」であるという事。
ひと時として同じ瞬間は存在しない。
よって「目の前で起きた事」は
「目の前で起きた事のまま」受け入れるべきである。
それを自分の物差しで「解釈」しようとすると、元の情報を劣化させる事になってしまう。
言い換えると「似たもの」を「同じもの」として扱い、その差分を切り捨てる事になる。
対して赤ちゃんは、大人が何をしているのか何を喋っているのか「分からぬまま」次々と吸収していく。
その「理解をしていない」事が入力に関しては有効に作用する事がある、
というのです。
例えとして出されていたのは、「日本語英語」です。
それは英語のあらゆる発音を「あいうえお」という母音のどれかに「当てはめて」発音している状態。
脳内でカタカナに置き換えてしまっているという事です。
歌手で英語はほとんど話せないのに、英語の歌の発音がとても正確な方がいます。
それは言葉ではなく、「音」として覚えたから。
「吸収段階で解釈してはならない」
「吸収すべき時には吸収に専念した方が良い」
「解釈は後回しにすれば良い」
「まっさらになれるとは上達を早める事」
ほんの一部分の内容ですが、
事象をありのまま取り込む事の重要さに改めて気付かされました。
この後に、「解釈」についてなど、まだまだ深い内容が続くのですが、
今回はここまでにしたいと思います。
大切な何かを取りこぼしてしまわないように、全ての出来事が生まれて初めてであるという事を肝に命じて、密度の濃い日々を過ごしていきたいと思います。
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