「観察」
私が高校3年生だった時、運良く進学先も決まったため自動車の運転免許取得のため教習所に通い始めのがちょうどこの時期でした。
冬休み中の12月中は実地の教習の予約がいっぱいでとりあえず学科を一日6時間受けたりしました。抑揚のない声と淡々と進む講義にただひたすらに眠かったのを覚えております。
そんな自動車教習所では「走行前点検を必ず行うこと」というのを習いました。ボンネットを開けてファンベルトやオイルゲージの確認、ブレーキランプの点灯、車の前後確認など、安全に運転が行われるために必要とされる項目をチェックし異常無しが確認出来てはじめて自動車を走らせるに至ります
(実際、免許取得後にこれを実際に行った記憶は私にはございませんが…)。
ヒトの身体においての「走行前点検」は「正しく立つ」にあたると思います。そして更に細かく観察をしていくことをレッシュでは「リポーズ」が担っています。
リポーズには「軸の形成と維持」という目的がある一方で、
「その動作が左右無く行えているか?」
「身体全体もしくは各部位の可動域や柔軟性はどうなっているか?」
など、「その時々の自身の身体の状態を観察して、不足していることやそこからさらに必要なことを発見して見極めること」も目的の一つになります。
もし、「毎日リポーズしているのにあまり調子が良くない」と感じていらっしゃる方がいるとすれば、身体の観察が抜けて機械的な作業になってはいないでしょうか?
単純にギックリ腰で抱え込みは辛い動作・姿勢になります。「(痛い)状態」だから「無理なことはしない」の思考はすぐ思い浮かぶと思いますが、例えば痛い箇所が無い場合において「(左は柔らかいけど右は硬い)状態」に対して「右を柔らかくしなければ」というアプローチでリポーズを行っているとすれば、それは「身体の観察をすることなく無理やり」動かそうとしていることになります。その場合は他のリポーズや違う部位へのアプローチを先に行うことで改善出来る可能性が出てくると思います。
リポーズを一定期間続けてこられたり、それ自体に慣れてきたりされている方、どのリポーズにおいても、その動作がどのように行われているのか?をよく観察することを頭の片隅においていただければ、また新たな発見があると思います。
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