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一口コラム
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こちらのコラムでは週替わりで先生方が順番にお話しをしてまいります。
 
施術部西澤正樹

第584回 一口コラム

今回の担当は
施術部 西澤正樹 です。

令和3年8月25日

 

「人と人」

先日あるインタビューを読んで、山田千紘さんの存在を知りました。
彼は20歳で電車事故に遭い、利き手と両脚を失ったそうです。
病院のベッドで目覚めてその事実を知った彼が、どのようにして絶望の淵から一歩を踏み出す事が出来たのか、というのがそのインタビューの内容でした。

きっかけは病院に見舞いに来てくれた友人だったと言います。
その友人は普段と全く変わらない様子で現れ、失恋した事や職場の愚痴などいつものような会話をして、怪我を見ても「知ってるよ」位の反応だったようです。
そうして気がついたら3時間ほど経っていて、「そろそろ帰るわ」と事故や怪我の事は一切聞かずに去って行ったようです。
見送った後、彼は独り涙して気付いたと言います。
家族や友人、看護師の方々は今までと変わらずに自分を見てくれている。
自分で悲劇のヒロインになっていたのだと。
自分から間違った方向、何も得ない方向に進んでいたのだと。

そうすると、手足が3本無い事をマイナスに考える事も出来るが、1本使える腕があると考える事も出来る、と考えられるようになったそうです。
つまりマイナスの中にも必ずプラスは落ちているのだと。

それに目も見えるし、話も出来るし、想いも伝えられる。
そう考えると、今まで当たり前だと思っていた事は実は当たり前じゃなかったと気付けたといいます。

ここまで読んで、人を変えるのは人なんだな、と改めて思いました。
人の「思い」が閉ざされた心の扉を開く。
開いた扉から出て自分を見つめ直した時に、今まで知らなかった世界の扉が新たに開く。
違う見方を手にする事が出来る。
落ち込んだり、上手くいかない時にはマイナスな事ばかりを考えがちですが、
何も得ない方向に進んでも仕方がない。
気持ちを切り替えて、落ちているプラスを探す事。
それと、感謝する心を忘れない事。
読み終えた時、とても勇気が湧いてくる感じがしました。

山田さんは現在会社員として働きながら、YouTubeや書籍を通じて、人々に希望や勇気を与える活動をされているようです。


 
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