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一口コラム
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こちらのコラムでは週替わりで先生方が順番にお話しをしてまいります。
 
施術部西澤正樹

第564回 一口コラム

今回の担当は
施術部 西澤正樹 です。

令和3年3月24日

 

「表面」

いつもコラムを読んでいただきありがとうございます。

今回は「表面」という言葉について書きたいと思います。
意味は「外から見えている部分」「うわべ」です。
ただ実際の物事には裏もあり奥行きもあります。
例えばマグカップを、持ち手が隠れる方向から正体してみると、四角形にみえたりします。
その視点しか無ければ、二次元のものとして認識してしまいます。
でも実際は曲面を描いて裏面に繋がっています。底面や、内側の面に飲み物を入れるための空間も有しています。
当然持ち手もあります。
それらを統合した立体物がマグカップになります。
正しく形状を理解するためには、まず多面的に観察する事、それから一つの立体物としてそれらを統合する想像力も必要なんですね。

先日電車内で、保育園児位の男の子が駄々をこねていました。
目的地よりも手前の駅で電車のドアが開くと、「ここで降りる!」と大きな声で繰り返しています。
お父さんは、「みんなは降りないぞ。お前だけ降りるのか!」なんて少し厳し目の口調です。
でもさすがはお母さん、電車内の動物園の広告を指差して、「これはなあに?」なんて楽しそうに質問を始めました。
男の子は「ゾウさん!」
お母さんは「よく知ってるねー!じゃあこれは?」なんてすっかり子供の気を逸らして笑顔に変えていました。
男の子は退屈だったただけなんですね。

表面の現象に対処しようとして更に状況を悪くしかねなかった父親と、男の子の本当の気持ちを理解し、瞬時に楽しい空間に変えた母親が対照的でした。

表面に見えている事に対して取り繕うのではなく、その背景を見るようにする事や、意味を考えるようにする事が大切だと感じました。

「全てに意味がある」という言葉があります。
表面に現れている現象は裏や内側や背景が浮き出た物として考え、そこを捉えなさい、考えなさい、という意味なのかと改めて感じました。

SNS社会で情報過多になり、つい表面ばかりを拾いがちになりそうですが、もっと深いところをみるようにしたいものですね。


 
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