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一口コラム
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こちらのコラムでは週替わりで先生方が順番にお話しをしてまいります。
 
施術部西澤正樹

第559回 一口コラム

今回の担当は
施術部 西澤正樹 です。

令和3年2月17日

 

「書籍を読んで」

医学博士で現在軽井沢病院総合診療科医長を務めている稲葉俊朗氏の対談を読み、感銘を受けたので今回はその事をコラムにしたいと思います。
一部ですが、書かれていた内容の要約と感じた事をまとめてみました。

[生命について]
人間は単細胞生物ではなく、多細胞生物である。故に調和的な命の力で生命は成立している。
病気は全体を生かす為に一部が犠牲になって不調和になっている状態。
西洋医学は「病気」という名前をつけて攻撃する(戦う)という考え方だが、
新たな全体としての調和を作り出す事が大切である。
つまりバランスが崩れた時、 
「元に戻す」のではなく別の新しい平衡状態へと移行させるのだ。
それが「自然治癒」である。
それぞれの人が「自分自身の自然」へと回帰する手伝いをするのが医者の務めである。

[自ずから(おのずから)と自ら(みずから)のあわい」 
「おのずから」は運命的な働き、自然、無意識を意味し、
「みずから」は自分の意志、個を意味する。
「自」という一つの漢字を使って二つの意味を表している。
間の事を「あわい」と言うが、そこに日本文化独特の美しさや儚さを見出している。

例えば茶道の世界では「お茶が入りました」と言い、「お茶を入れました」とは言わない。
偶然運命的に出会ってこの場に結びついた2人の関係性の先に、お茶が存在するという解釈である。
死を覚悟して戦地に向かう者と送り出す者。そんな状況での一期一会がそこにはある。

また結婚する事を報告する際にも、
「私たち結婚する事になりました」と言い、
自分達の意志だけではない運命的な力を感じさせる表現をする。

対談の一部ではありますが、読んで心を鷲掴みにされる感じがありました。
白か黒か、善か悪か、という対立する世界観だけではなく、「あわい」という「間(あいだ)」を見事に捉えている日本文化は本当に崇高なんだなと、改めて感じました。
はっきりしない、優柔不断等のマイナスなイメージに捉えられがちな日本ですが、
実はその部分こそが他の国にない素晴らしい文化なんですね。
それを誇りに思い、より深くルーツを辿っていきたいと感じました。
また、施術に関しても「自分自身の自然」である4スタンス理論を的確に用いて、皆様を健康へと回帰する手助けをして参りたいと思います。


 
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