「ブックカバーチャレンジ的なもの」
このコロナ禍で、アルベール・カミュの「ペスト」の販売部数が増えているそうです。そこそこ大きな書店では特設コーナーがあったり文庫本売り場で平積みにされているのを見かけます。
ペストによって外部と遮断され孤立の状態を強いられながらそれぞれの立場や思惑などが交差する中での人々の振る舞いから垣間見得る世の中の様子が、同じ「感染症」の被害が今世界を取り巻く状況を想起させ共感を呼んでいる、いうのが売れている理由と言われています。
小説「ペスト」は1957年にノーベル賞文学賞を受賞したカミュの代表作で、「異邦人」や「シーシュポスの神話」などと並び「不条理文学」といわれるものの一つです。
(特に「異邦人」は毎年この季節の文庫本フェアに必ずと言っていいほど取り上げられています。)
人知の及ばない何かは必ず存在し、それらとどう向き合うのか?そんなことが書かれています(※感想はあくまで個人的なものです)。
「不条理」なものとして「ペスト」という病気が題材とされていますが、これはフランス人だったカミュが生きていた時代の「ナチス・ドイツ」をモチーフに書かれたとされているそうで、どちらも個人の力ではどう抗っても勝ち目のないもの、対処しきれないものでもありますね。
そんな状況におかれた時にどう考えどう振る舞い、どこに向かうべきなのか?改めて考えさせられますが、過去に同じような境遇にあった人がどのように考えていたかを知ることで受け継がれていく歴史があるのかなと思います。
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