「親父の湯豆腐」
今週のコラムを担当させて頂きます中條雅章です。
宜しくお願いします。
日増しに寒くなり、あっという間に師走になりましたね。
如何お過ごしでしょうか?
寒さが骨身にしみる日には、鍋料理なんて最高ですよね!笑
今回のコラムは、その鍋料理「湯豆腐」の思い出について書いてみました。
私には、親父がふたり存在します。
産んで育てて頂き、今では心の中で生きている親父と、
世界を4次元で飛び回って生きている親父の、ふたりです。
子どもの頃、父親が夜遅く会社から帰宅すると、母親が食卓に湯豆腐を出してきました。
酒好きの父親、呑んで帰ってきてからの夜食に、自宅で湯豆腐。
寝しなの僕に、
「雅章も食べろ!」と。
ポン酢で頂き、味的には単調な味わい。
歯応えも無く、良く分からない料理の印象。
湯豆腐には肉も入れないし、野菜もふんだんに入れる訳でもなく、、、
鍋の中のメインは、ぷかぷかしている豆腐!
豆腐は、食材としては安価だし、
随分と安上がりに済ませているなぁ!
うちは、肉を入れるお金が無く、貧乏なのかなぁ?
子ども心に、そんな印象がありました。
そして、10数年前に、、、
もうひとりの親父と、夜食を頂く機会がありました。
仕事帰りの夜食時間。
そこは、親父行き付けの定食屋さんでした。
親父は、いつもの様に店員さんに笑顔を交わしている様子。
湯豆腐をオーダー!
私的に、湯豆腐は、あまり良い印象がなく、、、
「湯豆腐かぁ、、、」
という感じでした。
湯豆腐が運ばれてきて、、、
「おまえも食べろ!」と。
口にした湯豆腐の味!!
「美味っ!」
豆腐と野菜だけの鍋なのに、、、
何故か!?美味しかった事が、今でも印象深く残っています。
湯豆腐の中には、特別な何かが入っているのでしょうかね!?笑
まだまだ大人になりきれていない自分。
ふたりの親父に、追いつけ追い越せ!の自分。
人間力の差?
人生の差?
を、当て付けられた!?
大人の味!
親父の味!
湯豆腐なのでしょうか?
いろんなものが、詰まっている湯豆腐。
たかが湯豆腐。
されど湯豆腐。
寒くなり、鍋料理の時期になると、
ふたりの親父の味、湯豆腐を思い出します。
今夜は、改めてそんな事を思い出しながら、湯豆腐を頂きたいと思います。 |