「道具」
思えば、このコラムが平成最後のコラムになるようです。
31年前、当時官房長官だった小渕恵三さんが「平成」の色紙を掲げたとき私はまだ高校1年生でしたから、改めて振り返るとそれなりの月日が経過しているのを実感します。
この間、身の回りの状況や生活環境、人々の物事に対する考え方など様々な変化とともに、日常使用する道具も、その頃では想像もつかなかったもの(スマホなど)で溢れています。
ですが、本来人々の生活を便利にするはずの道具なのに、スマホ依存症やネット上での犯罪に巻き込まれる可能性が出てきており逆に道具に振り回される事態も起きています。
スポーツの道具も似たような状況が起きているように思います。
道具を使用する競技において、それらを如何に使いこなすか否かが競技性の向上や成績に大きく影響します。
しかし、このような「道具優先」が過度になると、人間本来の身体のセオリーやシステムを無視ないし度外視することとなり、故障や痛みの原因になり得ますし、動作自体が行き詰まってイップスなどを引き起こすこともあります。
道具は人が使うもので、人が道具に使われては本末転倒です。また道具は「扱う」ものです。「手(へん)に及ぶ」と書くくらいですから、身体の範囲内で最大限に利用するのが良いのではないでしょうか?
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