「淀みなく」
皆さんは、メモを殴り書きして、
後から読み返そうとしたら何を書いたのかさっぱり分からない、
というような御経験はないでしょうか?
僕は急いでいる時についついやってしまう事があります。
そういった経験を繰り返すと、
そうならないように後から読み返し易い文字を書こうとする意識が芽生えます。
それが他の人も見る物であれば、
他の人が見ても読み易いような文字を書こうとします。
そしてそれが文章になれば、
読み返した時に理解し易いように書く、
という意識が働くものです。
更に他の人も読む文章であれば、
構成なども考えて、なるべくこちらの意図が伝わり易いように、と知恵を絞るものです。
つまりそこに「次の為」が含まれている事が大切だと思うのです。
廣戸先生の書籍「自重トレーニング」に度々出てくる「ワンストローク」という言葉は、つまりそういう事かと思います。
全ての動作の基本である「正しく立つ」
という行為も、
次の歩行や座るという動作への準備が含まれています。
正しく座る為に正しく立ち、
安定して歩く為に正しく立つ。
その意識が秀逸な文章のように、淀みなく流れるような所作を生み、
また無駄のない「美しさ」にはそういう背景があると思うのです。
何も考えずに、とりあえず的に行動を起こさない事。
行き当たりばったりな過去の自分と決別する為に、私の修業は続きます。
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