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一口コラム
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こちらのコラムでは週替わりで先生方が順番にお話しをしてまいります。
 
施術部 西澤正樹

第381回 一口コラム

今回の担当は
施術部 西澤正樹です。

平成29年7月5日

 

「軸シフト」

先日、ボクシング6階級制覇のWBO世界ウェルター級チャンピオン、マニーパッキャオ選手に、世界ランキング1位のオーストラリアのジェフホーン選手が挑戦したタイトルマッチが行われ、それをテレビで観戦しました。
対戦までの詳しい経緯は分かりませんが、挑戦者の地元オーストラリアの野外スタジアムで、日中の太陽の光の下試合は行われました。

パッキャオ選手は「4スタンス理論バイブルエクササイズ編」にも掲載されているようにA2タイプと推測され、かなり遠い間合いからの素早い踏み込みから、強打を連打するのが信条の選手です。
相手のジェフホーン選手は、動きから、個人的な見解ですが、B2タイプに見えました。

第1ラウンドの展開は、ホーン選手がクロスタイプの特徴であるハスに構える形を保ち、パッキャオ選手の射程距離では小刻みに軸をシフトさせて的を絞らせず、ジグザグにステップを踏みながら一気に自分の射程距離まで距離を詰め、力強い左右のパンチを繰り出している展開が目立ちました。
その軸シフトの柔らかさ、スピードから、パッキャオ選手は後手に回る場面が多く、「これは苦戦するな」、という予測がたちました。

2ラウンド以降も、挑戦者のフットワークの素早さが勝り、常に左右の土踏まずの上に小刻みに頭をシフトさせて接近し、パッキャオ選手がブロックを固めて、ロープやコーナーを背にする
場面が目立ちました。
パッキャオ選手が先手を取り、いつもの素早い出入りの動き、らしさを見せたのはわすが一つか二つのラウンドでしたが、その回は盛り返す場面もありました。ただ攻撃は単発に終わり、脚がついていかないように見えました。
国会議員としての多忙な日々による練習不足だったのかもしれません。
片や挑戦者は、最終ラウンドまでステップワークが途切れず、充分な走り込みやパッキャオ選手を研究した跡がみて取れるようでした。

試合結果はやはり3-0の判定で挑戦者が勝ち、ベルトは移動する事となりました。

振り返ると、挑戦者は常に軸をシフトして動きを止めない事が徹底されていました。それにより、常に頭の位置が変化して相手に的を絞らせない事、更にその動きの中で体幹からパンチを繰り出す事、近づく時もジグザクにステップしながら一気に距離を詰める事を最終回まで続けられた事が、パッキャオ選手の良さを消して、勝利をたぐり寄せる事となりました。

相手の「間合い」を避け、
自分の「間合い」で勝負をする。
その為には常に体幹の柔らかさを活かした素早い「軸シフト」を行い続ける事と、脚を使い軸を移動させる事。
挑戦者のホーン選手はそれを実践し続け、多くのラウンドでポイントを手にしました。
実に武道的な闘いにみえ、軸の大切さ、タイプの違いが分かり易く、4スタンス理論のフィルターを通して観た事で、どちらの選手が試合を掌握しているかが大変分かり易い試合で興味深かったです。


 
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