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一口コラム
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こちらのコラムでは週替わりで先生方が順番にお話しをしてまいります。
 
施術部部長 小杉英紀

第316回 一口コラム

今回の担当は
施術部部長 小杉英紀です。

平成28年4月6日

 

「現実と美学」

みなさんこんにちは。
先週千秋楽を迎えた大相撲春場所。久方ぶりの日本出身の力士として綱取りの期待がかかった琴奨菊関への注目度の高まりも相まって、大いに盛り上がりました。
結果は残念ながら綱取りは叶わず、横綱白鵬関の優勝、というある意味「荒れる春場所」とは裏腹のものでした。

今場所は、その結果以上に白鵬関の取り組みが話題となりました。

ダメ押し、かち上げなどかなりハードな面も見られましたが、日本人、特に相撲ファンの方の反響が大きかったのは、
「横綱の立ち合いの変化」
ではないでしょうか。

「横綱たるもの、相手の突進(?)を胸で受けるもの」

と表現したらいいのでしょうか。
確かに、そうしてからでも十分相手に勝てるだけの「心技体」を兼ね備えた「絶対的存在」が「横綱」という認識はありますね。

ただ、勝負事に拘って考えた場合、相手の隙は絶対に見逃さない
厳しさを持つのもまた、王者たる所以かなとも思います。
(野球では、いい打者程失投は見逃してくれません)

そう考えると、相手を見て「よけたら勝手に転ぶ」だろうことが明らかであれば、そうするだろうな、と思うのは相撲や横綱の美学や品格を理解していない者の戯言なのでしょうか?

相撲中継で、力士の足が「前に出ているか否か」が解説者の言葉によく出てきます。
また同じ意味合いで「しっかり踏み込んでいたか」というのもよく耳にします。
相撲の基本動作には、四股や鉄砲と並んで「摺り足」というものがあります。
これは、きちんとした重心移動を身に着けるために非常に効果的であり重要なものです。これが出来ていないと重心でなく「体重移動」になり、何か支えになるものがないと倒れてしまいます。

この、相手の「不安定」を即座に見抜き、とても現実的な対応が「立ち合いの変化」なのかな、とも思えます。
きちんと立てていないと負け、の競技で、動作のほんの一瞬の「死に体」となりうる状況を見逃さない勝負に対する厳しさ、というもの強者の資質では?とも思います。

しかしながら、これは民族や文化、伝統の違いからくる価値観の相違でもあるのでしょうか?

勝ち負けを度外視した真っ向勝負は掛け値無しに面白いですし、後々まで語り草となりますし、「絶対に負けられない戦い」の時にはなりふり構わない必死な姿に感動します。

すみません、話が脱線しましたが、大事なことは

「体重移動ではなく重心移動」

ということです。


 
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