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こちらのコラムでは週替わりで先生方が順番にお話しをしてまいります。 |
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第262回 一口コラム
今回の担当は
施術部部長 小杉英紀です。
平成27年3月25日 |
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「身体と道具」
みなさん、こんにちは。
このコラムだけでなく、「4スタンス理論 バイブル」をはじめとする様々な書籍等で何度も語られている、
「きちんと立つ」。
これが出ているか否かで、そのあとに行う動作の質が決まる、という非常に大切な要素です。
そのためには、具体的な意識として、「土踏まず(足の裏)でしっかり地面を踏む感覚を持つこと」があげられます。 所謂
「土踏まずが水平の意識」ですね。
これをよりに体感し、身体に安定感をもたらすアイテムとして、4スタンスインソールがあります。
この「しっかり踏む」の重要性を感じさせられる道具は他の場面でも見受けられます。ところで、「テルマエ ロマエ(作者はヤマザキマリさん)」という
漫画を読まれたことはありますか?
アニメ化や、阿部寛さん主演で実写での映画化もされているので、そちらでご存知の方もいらっしゃると思います。
大筋は、古代ローマ時代の浴場技師(ルシウス)が偶然タイムスリップした現代の日本にあるお風呂や温泉に取り入れられている色々な技術を古代ローマのお風呂に取り入れる、というものです。
わたしも大好きな作品の一つなのですが、この物語のなかに登場するヒロインの日本人女性のさつき(古代ローマとその時代の男たちに思いを馳せている、というキャラ設定)が、ルシウスが本当にタイムスリップをしてきた古代ローマ人だ、と確信する場面があります。
それは、ルシウスが裸馬を巧みに御する姿を目の当たりにしたときです。
古代ローマ時代(作品中では、ルシウスは五賢帝の一人であるハドリアヌスとその死に立ち会っていますから、西暦138年頃)は、現代のような馬具はまだ発明されておらず、手綱やハミ、簡素なクッションらしきものをお尻のした敷く程度だったそうです(諸説、がきっとあるはず)。
馬具が無い状況で馬に乗る、ことの困難さは普段乗馬する習慣や機会のない私にはなかなか想像できませんが、鞍がないととてもお尻が痛い、というのは聞いたことがあります。
そして、鞍とともに重要な馬具として使用されている「鐙」が無い状態では、先ずをもって身体の安定感を得るのがとても難しく、そのためには自身の両大腿部でしっかり馬体を挟み込む必要があるそうです。
ですから、
裸馬を乗りこなす
=それが当たり前の乗馬の技術
=古代ローマ時代の人間
(その他にも、ラテン語を話すなど古代ローマ人と思わせる理由は幾つか出て来るのですが)
となったようです。
と、いうわけでかなり遠回りをしましたが「鐙」です。
特殊な技術であった、馬上での身体の安定は、この馬具が発明され用いるようになり(ヨーロッパでは7世紀頃から)、飛躍的に向上したようです。たとえ地面に足がついていなくても、それに変わる道具を用いることによって、
「きちんと立つ」
を獲得出来たことはとても意義が深いと思います。
「必要は発明の母」とは言いますが、まさに正鵠を得た言葉ですね。
(「鐙」の歴史や使用に関しては諸々ありますが、ここでは「土踏まずと身体の安定」が主題ですので、割愛します)
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廣戸聡一の『レッシュ理論』については
『4スタンス理論』については
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