「褒と叩」
みなさん、こんにちは。
教育、指導、育成などの現場ではしばしば
「褒める」と「叩く」
という言葉が使われます。
その主な用法として、
「褒められて伸びるタイプか?叩かれて伸びるタイプか?」
というものがあります。
いかにも、個人の特性に合わせた指導法や方法論のようにも聞こえますが、果たしてそうでしょうか?
(なかには、自ら「私は褒められないと伸びません」と断言する人もいます
が、大概が褒めるところを探すのに一苦労させられるか、ただ持ち上げられたいだけなので、そういう人は無視しましょう)
通常、人間は何かのストレス(刺激)にさらされた時に、それに抗って耐えうるだけの強さを身につけようとします。筋肉の超回復もその一つといえます。
ですから、どちらか一辺倒だと、やがて慣れてきて当たり前のことと捉え、刺激として感じなくなりますから、伸びしろは増えません。
また、褒められてばかりだとダラけますし、叩かれてばかりだと腐ったり挫折感だけを味わって終わります。
個人的には、伸びる人は褒められても叩かれても伸びる、と思います。
これは決して個人差や資質の問題では無く、その人のその時の
「状態」
にあると思います。
そして、その「状態」とは、その人自身が、目の前にある問題や課題を「解決出来る」、目標を達成「出来る」と感じられていること、ではないでしょうか。
自分自身に「可能性アリ」と思えば、積極的に挑戦しようとします。
ですから、
「下手くそ!こんなのも取れないのか!」
と言われても、自分で「取れる!」と感じていれば「なにクソ、絶対に取ってやる!」となるでしょうし、
「凄いね、これが出来たのなら、あなたならもっと難しいことも出来そうだよ」
と煽てられても「イケるかもしれない」と思って、ひたすら練習や稽古に励むのではないでしょうか。
要は、指導者の立場として、手段や方法は二の次、三の次で、まず始めに選手や生徒に
「上手くなれそうだ」
という実感を与えることではないでしょうか。これさえ持たせられれば、あとは実際にこちら側から何もしなくても「勝手に」「一生懸命」「努力」して「上達」します。
そして、それは若年層にいけばいくほど当てはまります。褒める、叩くの次元ではないのです。
私がお邪魔している現場では複数の場所でそれが起きています。
小さな子どもたちが進んで練習を始めて、しかも高い集中力でずっと練習をし続けていますし、ほんの3、4ヶ月前にはお世辞にも傍目に活気があるとはいえなかったチームが一人一人が目の色を変えて練習しているため、チーム全体の雰囲気がガラッと変わりました。
では、「出来る」と思わせるために必要な「条件」を獲得する方法とは何でしょう?決してメンタルトレーニングの類ではありません。
お手すきの時にでもちょっと考えてみてください。では!
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