「構える前に構える?」
整体の時に仰向けでベッドに寝られている患者さんを見ると、ほとんどの方が背中や腰とベッドとの間に空間が出来ています。
その事をお伝えすると、「寝方が悪いからかなぁ」と聞かれる事があります。そんな時は、「起きてらっしゃる時の姿勢がそのまま出てるんですよ」とお答えしています。
ご本人としては体幹を固めているつもりもないし、身体を反らしているつもりもないようです。
身体は歪んでも、肩の位置など末端の角度を変えて、歪んでないように使おうとします。その為、最初に体幹がどう歪んだかはほとんど意識にのぼらず、自覚が出来ない事が多いです。
整体で肩甲骨と仙骨がベッドに水平になるように調整をすると、土踏まずに垂直に重心が落ちて、全身の関節が柔軟に連動し始めます。
ゴルフなどのスポーツでも、アドレスなどの競技の構えに入る前に、まず『ちゃんと立つ』ことが重要です。日常生活で歪んだ姿勢のままの身体の設定では、競技の構えをキチンととる事は難しいと思います。
そこで、まず肩甲骨、仙骨を地面に垂直に立て、土踏まずで水平に地面を踏む立ち方をします。その状態で、土踏まずを介して地面に重心を支えてもらいながら、脱力をして重心を上下させます。ボクサーが縄跳びを跳んでいる時みたいに軽やかにリズミカルに行います。
そこに肩や脚のシュラッグの動きを合わせていくと、どんどん軸が整ってきます。
それから競技の構えに入っていけるとスムーズかと思います。
「何もしていないのに何で固くなるんだろう?」とおっしゃる方もいます。でも、人は常に『重力に対して身体を支える』という仕事をしています。その為、何もしないという事=動きがない=一生懸命身体を固めている、という事になりかねません。
全ての基本はキチンと立つ、座る事からです。競技の構えの前にもう一つこの構えをいれて、より柔軟にお身体を使ったり、柔軟性を保つようにしましょう。
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