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一口コラム
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こちらのコラムでは週替わりで先生方が順番にお話しをしてまいります。
 
施術部西澤正樹

第219回 一口コラム

今回の担当は
施術部 西澤正樹です。

平成26年5月21日

 

「達人のリズム」

先日のレッシュサミットで、レッシュビートというリズムについての発表がありました。
サブタイトルで、「達人のリズム」とありました。
その中で幾つか映像での紹介がありました。

1つはJames BrownのLIVEの映像で、観客として来ていたMichael Jacksonが、突然ステージ上に呼び出され、ゆっくりしたリズムでバラードを歌いはじめるのですが、次の瞬間にはいきなりリズムが切り替わり、クルクル回ったりムーンウォークをしたりと凄いスピードで動きだしました。観客は度肝を抜かれて大喝采!

もう1つはボクサーのモハメドアリのインタビュー映像で、インタビュアーに動きを交えて自分のボクシングを解説しているようでした。最初は手足の動きが同じリズムでゆっくりのっしりと動いているのですが、上半身のリズムはそのままに、突然足のステップだけが倍位のスピードで動きだし、これに相手はついてこれないんだ、みたいに解説しているようでした。

音楽でもスポーツでも、優れたプレイヤーは細かいビートを身体の中に内包していて、ゆっくりした動作をしていても、その裏では細かくリズムを刻んでいるようです。スピードの変化が自由自在にできる。それにより、対戦相手や観客はビックリしたり感動したりする。

僕は今までそんな風に物事を考えた事がなかったので、凄く興味深く聞いていました。それ以来、何と無くこの事が頭に残っています。

そして俳優さんの味のある演技も、こういう事なのか、とガッテンがいきました。

今から20年くらい前の事ですが、テレビで「北の国から」というドラマを観ました。田中邦衛さんが父親役で、その回は確か娘さんの結婚式でおめでとうをいうシーンでした。
訳あって男手一つで育ててきた様々な苦労や色々な出来事を思い出し、感極まっている場面でした。
田中さんは小刻みに震えながら、言葉にならない言葉を必死で伝えようと、言葉を発するまでの数分間はまさにコマ送りのように表情が小刻みに変化をし、その一瞬一瞬に僕は引き込まれてしまい、おめでとうの言葉が出た時には涙がブワッと溢れていました。共演者の方々も演技というよりは、その田中さんの演技に感動して涙させられているようにさえみえました。

パラパラ漫画は、コマ数を増やせば増やすほど、動きは滑らかになっていきます。自分自身のリズムをより細かく刻む事が出来れば、奥深い表現や丁寧さ、大胆さ、相手をビックリさせたり感動させたりも出来るのかなと思います。

患者さんや選手をサポートする立場として、より深く物事を感じるためのヒントとしてレッシュビートを考えていきたいと思っています。


 
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