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一口コラム
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こちらのコラムでは週替わりで5人の先生方が順番にお話しをしてまいります。
 
小杉英紀施術部部長

第96回 一口コラム

今回の担当は
施術部部長 小杉英紀です。

平成23年11月2日

 

「伝統と伝説」

皆さんこんにちは。

日一日と朝晩の寒さが増してきましたが、体調を崩されていませんか? 季節の変わり目で、免疫機能が低下傾向にある季節ですので十分ご注意 下さい。

さて、今年の日本の野球シーズンも残りわずかとなり、プロ野球もクライ マックスシリーズを向かえ最後の盛り上がりを期待せずにはいられません。 その一方で、アメリカメジャーリーグは一足先にカージナルスがワールド チャンピオンに輝いて幕を閉じました。

そのワールドシリーズでは、個人的には、その対戦相手で惜しくも敗れた レンジャースに肩入れしていました。その理由は球団社長をしているのが ノーラン・ライアンだから、の一言につきます。

野球好きで知らない人はいない、と断言してもいいほどの「レジェンド」な 大投手ですが、簡単に説明をしますと、 通産奪三振5714、シーズン最多奪三振記録383、ノーヒットノーラン 7回、という3つのメジャー記録を持ち、人類史上初球速時速100マイル (160キロ)超えを記録し、現役を引退した46歳の時点でも球速95マイル (152キロ)を計測した、という人です。また現役時代に著した 「ピッチャーズ・バイブル」という本は投手のためのコンディショニングや 技術、フォームなど総合的に書かれていて、プロアマ問わず多くの人に影響 を与えました。何を隠そう自分も学生時代に貪る様に読みました。

前置きが長くなりましたが、そのライアン氏がメジャーでは定説になっている 「投手の投球数100球制限説」に異論を唱え、「投げる事で投手として必要 なスタミナをつけるべきだ」と、社長就任時にチームの投手陣に、所謂 「投げ込み」を課して、見事投手力の底上げに成功しました。

「肩は消耗品」の考えから、「投げる数」を減らしその分をトレーニングで 補う、という考えが一般化している今日、日本野球の伝統的な練習法である 「投げ込み=(型の反復稽古)」をアメリカ球界の「伝説」が提唱した、 というのは非常に興味深いです。

ライアン氏はその効果の「スタミナ」に 注目していますが、それは体力的な観点だけでなく、理想的なフォームを身に つける為に必要な反復練習、という認識もあったのではないかと思います。 実際に現役時代のライアン氏の投球フォームの力学的な効率は93%、ロス が7%しかない(数字はうろ覚えですが)理想的なものでした。

非科学的、という名のもとに日本の伝統的な鍛錬法や練習法がおざなりにされていますが、今一度見直して見ると素晴らしいものもたくさんあります。 各ジャンル、各競技で埋もれている、「先人の知恵」をもう一度復活させて みるのも面白いのではないでしょうか。


 
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