「型と形」
皆さんこんにちは、今回の担当の小杉です。本年も宜しくお願い致します。
新年を迎えるにあたって、初詣として神社やお寺に足を運ばれた方もいらっしゃると思います。
その時、例えば神社では、手水での身の清め方や二礼二拍手一礼をする参拝、など儀礼としての「型」があります。
また、舞踊や武道にも基本稽古として重要な「形」も存在します。
以前、私はこれらの事柄に対して「形式ばって堅苦しい、合理性の無いもの」という認識を持っていました。
しかし、レッシュ理論を学び、身体理論を知る事によって、それが甚だしい間違いだという事を痛感しました。
確かに、ボタンをたたけば様々な情報が簡単に手に入る時代では、師範や師匠、指導者の方から詳しい説明も無いまま、半ば押し付けられるように指導される「形(フォーム)」。若干前近代的、封建的な縦社会の悪習に思われるかもしれません。
ですが、そこには必ず何らかの「意味」が存在します。例え自分自身にとって理解し難いものであっても、です。それが「4スタンス理論」による「個体差」の存在を認識する事によって、「形」や
「型」の意味合いを知ることが出来ます。
よくレッシュのセミナーなどでは江戸時代の階級社会で、身分によって立ち居振る舞いですら、統制の為に利用されていた、というお話をします。直立位は服従の姿勢、武士が帯刀している時の姿勢は臨戦態勢を崩さない為のもの、等。
このように、一見不合理に思える事柄にも確固たる「理由」があります。その「理由」は必ずしもはじめに知らなければならないもの、ではありません。ましてや、その道の達人や先生たちが長年試行錯誤され、伝承されたものを、特に初心者の方が理解してから実践するのは、逆に不合理になるのです。
ですので、「なぜこうなのかな?」という疑問は心にしまいつつ、まずは教えられた通りに「形」や「型」を実践しながら、「なるほど、先生がおっしゃったのはこういうことがあるからか」と後から気づいていく事が「楽しみ」の一つではないでしょうか。 |