「パンクラスISM アライケンジ」
先日、12月5日パンクラスディファ有明大会で、パンクラスイズム、アライケンジが引退した。
彼を初めて目にしたのは廣戸道場に入りたての時、観に行った後楽園ホールのリングでした。
彼はハイキックで相手を失神させて清々しい顔をしていた。格闘技って、すげー!と思った。
そんなアライ選手が整体に来た時、私が途中、担当させてもらえる機会があり
見習いの私の意見を真剣に聞いてくれ、実戦して、感想を教えてくれた。
私の整体をわかって貰えた気がして嬉しかった。
それから、私が1人で患者さんを受け持つ事が出来るようになり、 アライ選手は私を指名してくれた。
私が受け持った初めてのプロ選手でした。
アライ選手のファイトスタイルは、ガチンコ殴り合いのファイターで、
常に怪我と隣り合わせのスタイル。
そんな彼を担当させてもらえた事により私も色々な経験が出来、
人の身体を治す。と言う基礎を教わった。
2006、4月PRIDE武士道に出場した際、アライ選手が北西さん、セコンドでお願いします。と言われ、もちろん私は格闘技未経験少し戸惑いました。
アライ選手に何も出来ないですよ!と言うと
いいです。
居てくれるだけで安心するので!と言ってくれた。
アライ選手のファイトスタイルは消耗が激しく、コンディションを維持するのが大変でした。
食も細く、脂肪も付きづらい身体の為、ダメージの回復も遅れがちでした。
近年、戦績にも恵まれず歯痒い日々が続いた。
実力を持っているのに、出し切れていないのが私は辛かった。
本人は、もっともっと辛かっただろう。
今年の秋に高尾山へいった際、偶然アライ選手と彼女さんに会った。
普段は見た事ないような優しい顔のアライ選手がそこに居た。
その後、アライ選手から次の試合で引退します。と聞いた。
私が彼に言った、勝敗に関わらずアライケンジらしい試合をしよう!と。
彼女からも同じ事を言われたらしい。
試合の結果は1ラウンド首を締められ、意識を失い負けた。
アライ選手らしく
やるか、やられるか!で、介錯された形になった。
あーぁ、何もしてねぇ!
意識が戻ったアライ選手が発した。
引退試合だからと言って手を抜いてくれないのが今の総合格闘技。
最後の試合で改めて勝負の厳しさを教わる形になった。
控え室に戻ったアライ選手は、悔しさの反面ホッとした顔をしていた。
全試合が終わり、アライケンジ引退式が行われた。
そこには、高尾山で見た優しい笑顔のアライケンジが居た。
みんなの前での笑顔を見た時、アライケンジ引退を実感した。
もし、アライ選手に出会わなかったら現在の私は無かったのかも?と思う。
あの時もらった自信が今の整体師の基礎になっています。
アライ選手ありがとうございましたm(__)m
ビッグエイジ
北西英司
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